texの数式環境では「\alpha」とすると
が表示されるように、ギリシャ文字を書くことができます。
しかし、「\Delta」と「\delta」を比較すると
となるようにギリシャ文字の大文字は立体で、ギリシャ文字の小文字は斜体で表示されます。
「\it{\Delta}」や、amsmathパッケージを入れていれば「\varDelta」によって大文字も斜めにすることが可能ですが、ほんの少しだけ違います。
大文字のギリシャ文字には\varをつけることでこのように斜体のようにすることができますが、「\epsilon」と「\varepsilon」には
という違いがありますし、「\mathrm{\epsilon}」としても斜めのまま、さらには「\mathit{\epsilon}」や「\it{\epsilon}」も同じ角度となります。
\epsilonの場合はあまり問題ないのですが、10のマイナス6乗を表すマイクロは斜体ではなく立体なので、立体のミュー(μ)が必要となります。
この場合は siunitx という SI単位を出力するためのパッケージを使うことをおすすめします。
単に使い時には TeXの記憶(93) — 立体のμ | 寝坊した のように
% textcompパッケージ \usepackage{textcomp} % fourierncパッケージ \usepackage{fouriernc} % Eulerフォントを使う \DeclareFontFamily{U}{euc}{} \DeclareFontShape{U}{euc}{m}{n}{<-6>eurm5<6-8>eurm7<8->eurm10}{} \DeclareSymbolFont{AMSc}{U}{euc}{m}{n} \DeclareMathSymbol{\umu}{\mathord}{AMSc}{"16} \begin{document} $\mu$\qquad \textmu\qquad $\umu$\qquad $\othermu$ \end{document}
とすれば様々な立体のμを表示することが可能です。
「μ」はフォントがない場合などに「m」が代用されることがあるので、そういった文字化けでの事故を防ぐためにもいっそ「u」で書いてしまうのも認めてもいいかなと最近は考えています。