締切を守れ

本記事はeeicベンドカレンダー2020(eeic (東京大学工学部電気電子・電子情報工学科) Advent Calendar 2020 - Qiita) 12日目の記事です。*1

 

締切を守れとは思うが、言ってもあまり効果はない。締切を守らなくていいなら、それだけ寝坊もできるし、ニコニコ動画を見れる。一方で締切を破られた人がいらついているのをよく見る。特に集合での遅刻はいらつきが強いようだ。私は100%間に合う余裕を持つのは難しいと思うし、いらつきは何らかの形で補填されたい。

 

遅刻の罰が決まっていればどの程度余裕を持つかを考えやすい。そして集合に他の誰かが遅刻したとき、遅刻が長いほどお金が手に入るなら納得できる*2。待たせる側も、遅延した電車に乗ったままか、タクシーに乗り換えてまで向かうべきかを比較しやすく、遅刻の原因が私用や寝坊だとしても金を払うことで罪悪感は軽減できる(だろう)。

 

ということで遅刻者に対する罰則の案を作ってみた。

遅刻による罰則

簡単に言えば、1時間遅刻したら1時間あたりの時給を払え。である。

  • 遅刻による損害は、待機金*3・待機経費*4とする
  • 待機金は、集合を行う際に幹事が決定する(特に定めのない限り、待機金は待機者の住所・集合時刻における最低賃金とする)*5
  • 各参加者は、承諾が得られれば承諾された相手との待機金を変更できる。*6
  • 待機金の各支払額は、待機者の待機金と遅刻者の待機金の最大値とする
  • 待機者の待機に際して生じた必要経費を待機経費という*7
  • 待機者は遅刻した時間相当の待機金を各遅刻者に請求する権利を得る
  • 遅刻者が複数いる場合、各遅刻者の遅刻した時間は各時間において遅刻者の数で割った時間の和とする*8
  • 待機者は、各待機経費が発生次第、各発生時刻での遅刻者の数で割った額を、各遅刻者に請求する権利を得る
  • 待機金の計算は特に定めのない限り1分単位で行う

罰則の計算例

集合時刻が15時00分で、各参加者の待機金は他全員に承諾されたとする。罰則は以下のように計算される。

参加者 A B C D
到着時刻 14時50分 15時00分 15時10分 15時20分
待機金基準 1200円 1080円 1500円 1920円
待機金(C→A) 125円   -125円  
待機金(C→B)   125円 -125円  
待機金(D→A) 480円     -480円
待機金(D→B)   480円   -480円
待機金(D→C)     320円 -320円
総待機金 605円 605円 70円 -1280円
待機時間 20分 20分 10分 0分

 

待機金(C→A)と待機金(C→B)は、共に待機金はCのほうが高いため、AとBは毎時1500円の待機金を得る。Cを10分待ったが遅刻しているのはCだけではないので、その10分で5分相当の待機金が発生し、それぞれ125円となる。

 

待機金(D→A)と待機金(D→B)は、共に待機金はDのほうが高いため、AとBは毎時1920円の待機金を得る。Dを20分待ったがそのうち10分は遅刻しているのはDだけではないので、その10分で5分相当の待機金が発生し、唯一の遅刻者となった残り10分で10分相当の待機金が発生し、5+10の15分相当である480円となる。

 

待機金(D→C)は、Cが遅刻者であったかにかかわらず単にCがDを10分間待ったと計算する。待機金はDのほうが高いため、Cは毎時1920円の待機金を得る。Dを10分待ったため、10分相当である320円となる。

 

 

遅刻した場合に待たせる人が多いほど罰則が多くなる性質は、大人数での集合を重要視しつつ、人数によらず待つ行為で収入が保証される性質につながる。極端な話101人で集合すれば唯一の遅刻者となった場合に1分で100分相当の金額を支払うことになる。遅刻の悪さはその遅れた時間で計るのではなく、他人を待たせた時間で計る。参加者の数はわかっているので、早めに遅刻の連絡(集合の辞退)を通知する動機づけになる*9

 

遅刻した場合にその支払いを遅刻者で分担することにより、実際に生じた責任を連帯責任的に処理すると共に、最も遅い遅刻者に罰が集中する構造としている。最後の1人が集まらない限り集合では待つことが多く、他の人が遅れていても最後じゃなければ軽く済まされることが多い性質を再現している。*10

 

物価変動などを鑑みて最低賃金をデフォルトの待機金としているが、計算が簡単になるなどの利点があるため主催者が全員毎時1000円などと決めるとよいだろう。「こっちは忙しいんだぞ!💢」などと毎時1000円で怒りが収まらないなら、事前に待機金を大きく設定できる。ただし逆に遅刻した場合には多く払うことになる。最低賃金は毎時1000円でも時間に毎時5000円を感じるならば待機金を毎時5000円とすればよい。支払額も高くなるのは、待機金をむやみに高くしない抑制力である。

 

また巨額の支払いを避けるために供託金制度を使い、請求される額が供託金を超えた瞬間置いていかれるとしてもよい。長く待って欲しい場合には事前に金を多く供託しておけばよい*11。そのような規則までを含めた規則を、長いためGoogle Driveに置いておく。

 

 

これで、各参加者は待ったら事前に妥当だと感じた対価が得られ、遅刻したら妥当だと感じた支払いで済む*12。自分の設定する待機金が認められない人とは集合しなければいい。「D_Pliusの規則で集合しよう。待機金は毎時1200円で20分で置いていくってことでいい?」なんて使われたら面白いと思う。私は使いたい。

 

本記事はnobi_sannの「マッチングアプリで会った人だろ!」という記事が12日中に投稿されなかった怒りとして投稿されました*13

*1:誤字だと指摘されたが、1日目の記事がeeicベンドカレンダーと書いているのでそのままにしている

*2:納得できるだけの額が手に入るシステムにしましょう

*3:待つイライラに対応

*4:必要経費

*5:計算が面倒なので、幹事が一律で決めよう

*6:参加が確定する前、集合時刻より相応に先立って決めよう

*7:例えば、集合場所での駐車料金など

*8:つまり3人が30分遅刻したら、それぞれが10分待たせたとする

*9:キャンセル料などは追加特約で定めるとよい。

*10:待機金を大きく設定した人が他の待機金が小さい人をあえて遅刻させる技が存在する。最も遅い人だけにするとそれがより強く反映されるため、この形式とした。

*11:待ってもらえる保証はないが、供託しないと参加者から排除される。

*12:妥当だと感じた待機金が認められた場合

*13:割と楽しみにしていた