路面電車関連の一時停止・徐行・通行

路面電車の停留所の近くでの自動車の規則は覚えにくい。この記事を読んでも多分簡単な覚え方はないので、単に苦悩のメモである。

 

制約が強い順に並べると、例えば

路面電車が停留所で止まり、安全地帯はなく、道を挟んだ先に人がいる場合、一時停止

路面電車が停留所で止まり、安全地帯はなく、道を挟んだ先に人が明らかにいない場合、路面電車から1.5メートル以上開けてない場合、一時停止

路面電車が停留所で止まっていて、安全地帯はなく、道を挟んだ先に人が明らかにいない場合、路面電車から1.5メートル開けている場合、徐行

路面電車が停留所で止まっていて、安全地帯がある場合、徐行

路面電車が停留所で止まっておらず、安全地帯があり、そこに人がいる場合、徐行 

路面電車が停留所で止まっておらず、安全地帯があり、そこに人がいない場合、通行 

となる。

道路交通法 第三十一条 車両は、乗客の乗降のため停車中の路面電車に追いついたときは、当該路面電車の乗客が乗降を終わり、又は当該路面電車から降りた者で当該車両の前方において当該路面電車の左側を横断し、若しくは横断しようとしているものがいなくなるまで、当該路面電車の後方で停止しなければならない。(規則Aと呼ぶ)

ただし、路面電車に乗降する者の安全を図るため設けられた安全地帯があるとき(条件Bと呼ぶ)、又は当該路面電車に乗降する者がいない場合において当該路面電車の左側に当該路面電車から一・五メートル以上の間隔を保つことができるとき(条件Cと呼ぶ)は、徐行して当該路面電車の左側を通過することができる。

 

(括弧書きは筆者追記)

 

路面電車が停留所にいるか」「安全地帯がないか」「人がいるか」「距離が1.5メートル以内か」の判断にそれぞれポイントを与えその総和で一時停止/徐行/通行を決められれば楽そうである。*1

 

網羅すると以下の表のようになる。

停留所に路面電車はいるか? 安全地帯がないか? 人がいるか?*2 距離は1.5メートル以内か?*3 どうしたらいい?
はい はい はい はい 一時停止
はい はい はい いいえ 一時停止
はい はい いいえ はい 一時停止
はい はい いいえ いいえ 徐行
はい いいえ はい はい 徐行
はい いいえ はい いいえ 徐行
はい いいえ いいえ はい 徐行
はい いいえ いいえ いいえ 徐行
いいえ はい はい はい 通行
いいえ はい はい いいえ 通行
いいえ はい いいえ はい 通行
いいえ はい いいえ いいえ 通行
いいえ いいえ はい はい 徐行
いいえ いいえ はい いいえ 徐行
いいえ いいえ いいえ はい 通行
いいえ いいえ いいえ いいえ 通行

人がいる場所をまとめたせいでうまく分離できなくなってしまった。変数*4を減らそうとしたが、安全地帯に人がいる場合と、別に路面電車がいないのに歩道に人がいる場合とでは大きく意味が違う。*5

 

カルノー図的に書いてみるとこうなる。1.5メートル離れていても停車している路面電車がいれば歩行者がいなくても一時停止したいくらいだ。また、記号ABCDは上記道路交通法で追記した規則や条件であり、X,Yのはどちらか制約が強い方。A→Bは原則Aだが注釈でBへと上書きされた物*6と解釈して下さい。

  停車危険 停車安全 無車安全 無車危険
有人近接 一時停止A,D 徐行A→B,D 徐行D 通行
有人遠隔 一時停止A,D 徐行A→B,D 徐行D 通行
無人遠隔 徐行A→C 徐行A→B,A→C 通行 通行
無人近接 一時停止A 徐行A→B 通行 通行

 

安全地帯に人がいた場合、路面電車とは関係なく徐行*7なんだから別で覚えても良い気がしてくる。

停留所に電車が止まっていたら少なくとも徐行。if(人 or 電車近接)*8一時停止

*1:ちなみに上記の判断は、「はい」の場合に危険である。

*2:路面電車内または安全地帯または道を挟んだ先に

*3:安全地帯や路面電車から

*4:判断

*5:そもそも判断は安全地帯と歩道で別で行うのだが

*6:,より解釈の優先順位は高い

*7:道路交通法71条

*8:各1ポイントで1以上と解釈しても良い