本記事はeeicベンドカレンダー2020(eeic (東京大学工学部電気電子・電子情報工学科) Advent Calendar 2020 - Qiita) 10日目の記事です。*1
私はよく「ビールは嫌い」と言う。これはほとんど正しい。ビールは苦いし、変な満腹感が来る。色んな物が食べたいし色んな物を飲みたいのに、大抵の飲食店は大手の量産型ビールを提供する。新たな発見がない。でも店からすれば正しい戦略だ。ハズレではない事への安心感は、大人数での飲み会にて適している。
一方で「ビール」とひとくくりにしたが、そのようなビールだけではない。自分が好きなビールを探すため、ファッションようじょは世界のビール博物館へと向かった。
モンゴゾ バナナ
ベルギービール。あまりバナナではない。甘いものが好きなので頼んだが、あまり好みではない。不味い!*2 しかしせっかく昼から優雅に空いた店で飲むのだからたくさん比べてみる。それにそもそも私はビールが苦手なので覚悟の上。あと、不味いと嫌いは違う。珍味としてならアリ。
リンデマンス フランボワーズ
ベルギービール。フランボワーズかはわからないが、甘くておいしい。あまりビールっぽくもない。デザート感覚くらい。あと名前にフランって入ってるのがいいね。
宇宙 スターダスト
日本ビール。インディアペールエール(IPA)としてはおいしい。飲み物としては不味い(でも珍味として楽しむのでOK!)。匂いも味(苦み)も一般的ビールとは異なり、ビールを主体として楽しめると感じた。私は何かをつまみにビールを飲むとき、どちらかを主体とした飲み方ではなく、何かをつまみとして主として楽しみ、そしてビールも主として楽しむくらいの強いビールを欲していたのだ。
上記ビールの味を店員と話した結果、これが持ってこられた。そのせいでここから3本はアルマナックのIPAである。匂いが強い割に味はそこまで苦くない。しかもその匂いも苦いような匂いではなく、どちらかというと果実に近い。まあでもほぼビールなので不味い。そもそも苦いの好きじゃないししょうがない。
どちらかというと果実に近い。上のラブヘイジーアイピーエーよりはちょっと柑橘系? 苦みの質も少し違う気がする。とはいえ上のとかなり似ている。まあ、不味い。柑橘系という物が柑橘系の果汁の味であることは少ない。柑橘系の皮の味である。ビール同様に柑橘系の皮は苦くて、不味い。もう一杯!
ヘイジーって何?と聞いたら、濁っているという意味らしい。似ているのはなんとなくわかるが、細かい差がわからない(つまり不味い)。酔っているからか?(500 mlずつくらいで頼んでいる。)
ラフェブル ニュートン
酔って同じ味ばかりに感じているのかも知れないと思い、違う系統を飲んでみた。明らかに違う。違いがわかる程度にはまだ酔っていない。
ベルギーの青りんごビール。強すぎず弱すぎず適度な青りんごを感じた。飲みやすい。というのも苦さが弱いだけでなく、上記アルマナックと比べて3.5%とアルコール度数も低めである。苦みも少なく、IPAから一度離れてフルーツに戻ってきた感じ。こういうのは好きだが、ここで「ビールに青リンゴジュース混ぜたら家でも飲めるのでは?」と思い、作れなさそうなIPAをもっと飲んでみよう*3という気になる。そもそも青リンゴジュースの方がおいしいし。
レヴィジョン レノアズファック
またこれもさっきのIPAと似ている(したがって不味い)。もしかして感想を言ったら持ってくるのは似ているのだらけか?となった。さっきのよりちょっと暗く濁っているだろうか。しかしIPAの中でどれがどんな味なのかを理解するほどは私の下はまだまだらしい。
メルリン チェルニー
チェコビール。焼き栗のような香ばしいロースト香と書いてあった。こういうのは、ビールの中でもほんの少しそういう感じであり、そもそも「ビールだ」という感情に押し流されるのがほとんどだと思っていた私でも強い焼き栗のような香ばしいロースト香を感じた。色んな物を飲みたいので、こういう変わり種を飲みたい。これはあまり苦くないし面白い。あんまり不味くない。
フランツィスカーナー ヴァイス
ドイツビール。「バナナを思わせる...」とか書いてあったが、これはぜんぜんバナナ成分がわからない(ほらみろ)。ビールの中ではおいしいが、所詮"ビールとしては"おいしいレベルである(故に不味い)。正統派のビール好きが好き好むビールなのかなと感じた。
レヴィジョン ヘイジーライフ
色々ありすぎてわからなくなってきた(似たように不味いってことです)。わからなくなってくるほど飲めているのも楽しいが、逆にIPAを理解したくなった。理解できなくてもIPAとはどんな物かは少なくとも覚えられるよう、またIPAを頼んだ。そして違いはほとんどわからないが、その違いがわからないことこそ、IPAとはどういう物かがわかってたのだと思っている。おそらくこの味はホップなのだろう。
レヴィジョン ディスコニンジャ
意味のわからない名前とラベルである。もしかしてヘイジーではないのか、IPAではないのか、と期待したが、濁っているし味はIPAと変わらなかった(=不味い)。アメリカ人の謎のセンスに振り回された。
たまに立ち上がったり暗算したりと酔いを確認していて、この辺でいい感じに酔ってきたので、帰ることにした。
サラダ・肉・オニオンリング・アヒージョ・ソーセージ・ピザと様々な物を頼んでは、「これに合う奴ある?」と聞いて頼んだり、聞いておいて頼まなかったりした。何を食べたときに何を勧められたのかの対応までは覚えていない。普段お酒を飲まないから聞いたことのない片仮名がほとんどであり、酒の名前は覚えにくかった*4。逆にIPAには強い味がいいぞと、酒からおすすめされた食べ物であるガーリックシュリンプは覚えていて、確かにおいしかった。強い物(ガーリックシュリンプ)と強い物(IPA)をあわせているので強い。ただ、ビールと味わいながらゆっくり食べていると冷めてしまった。
どれも500 ml程度はある*5。たくさん飲んだ結果、食事を含めて3万円くらいかかった。Good Kei-zai Rotation! でも一般的な飲み会10回分くらいはビールを知れただろうし、店員とも会話ができたしビール知識が得られたので許容範囲である*6。
多分IPA以外にもたくさんのビールはある。メルリンのチェルニーのような、いわゆる黒ビールのような味と匂いを楽しむために、次は黒いビールを色々試したいと思った。200種類以上を揃えている世界のビール博物館(ソラマチ店)では、割と飲んだ方だと思うがそれでもまだ1割も制覇できていない。
ビールがいつもよりはおいしかったのは、平日の昼だからだろうか。一人で静かな広い空間で飲めたからだろうか*7。店員の雰囲気や説明が良かったのだろうか。夏はもっとおいしいのだろうか。再度行かなければわからないので、いつかまた行こうと思う。
私はやはり、「ビールは好きか」とだけ聞かれたら「あんまり好きではない」とはいいそうである。今まで飲んだビールの大半は日本の大手の大量生産ビールであり、今回の飲み比べの結果あのビールは私に合わないことがわかった。でも、「あんまり好きではない」といったあとに「IPAとか珍しいのは(珍味として不味いと思いながらもたまに飲むくらいなら)好きです」とかを付け加えるようにしようかなとも思った。
あと、私のビール嫌いは所詮その程度の物なので、他のビール嫌いがこれと同じようなことをした方がいいとも思わない。私は適度に珍味が好きで、アルコールに対してあまり嫌悪感もなく、飲食自体に強い好奇心を持っている、"ビール嫌い"なので。